美容師の職業病「腰痛」の原因と改善法｜美容師/美容室の求人・転職専門サイト【ビューティーキャリア】

長時間におよぶ立ち仕事が多い美容業界では、腰痛に悩む美容師さんは少なくありません。腰痛は、手荒れ・腱鞘炎と並んで“美容師の職業病”と言っても過言ではないのです。

腰痛は、腰に負担がかかる体勢を長時間続けることで、背中の筋肉が血管を圧迫して起こる疾患。特に美容師の場合は、シャンプー中やカット中に、腰に負担のかかる体勢を続けることで、背中の筋肉が血管を圧迫して痛みが発生するという、サロンワークとの因果関係がよく指摘されています。

腰は、人間の運動機能の要となる重要な役割を担っています。腰痛は放置しておくと症状が悪化し、重症になると職場に行けないほどの激痛を伴うこともあります。特に年配の方は、腰痛がもとで歩けなくなり、そのまま寝たきりになるという事例もあるので注意が必要です。こうした事態を未然に防ぐため、腰痛を防ぎ、改善するために覚えておきたい対策を紹介します。
【仕事中】 サロンワーク中に腰に負担をかけない姿勢を維持することはなかなか難しいものですが、正しい姿勢を意識するだけでも腰痛の予防や痛みの軽減につながります。

●日頃から“真っ直ぐ立つ”ことを意識する
立ち仕事が多い美容師の腰痛の原因の多くは、仕事中の腰に負担がかかる姿勢にあると言われています。長時間同じ体勢でいると、筋肉が緊張し血行が悪くなり、腰痛の原因となります。また、硬くなった筋肉はストレッチなどでほぐせますが、ほぐさずに放置していると、慢性的な腰痛につながることもあるので注意が必要です。

こうしたサロンワークで生じる腰痛を予防するために重要なのは、日頃から、できるだけ腰に負担のかからない立ち方を意識すること。つまり、膝と背筋を伸ばして真っ直ぐに立つことが、腰痛の予防対策として最も大切なポイントになります。また、筋肉が固まらないよう、定期的に手足を伸ばすなどの工夫をするのも腰痛予防に有効です。

【休憩中】 休憩中は、施術中に凝り固まった筋肉をほぐすのに絶好のタイミング。休憩中にできるストレッチをご紹介しましょう。

●立ったままできる簡単ストレッチ
まず、気軽に立ったままできるストレッチを紹介しましょう。
  ①片手で肘を掴む。
  ②片手で肘を掴んだ状態で、ゆっくりと上半身を回す。
このストレッチによって、二の腕・背中・肩の筋肉がほぐれて血行が良くなると同時に、腰の痛みも緩和されます。

●椅子を使う骨盤ストレッチ
  ①椅子に座って、頭を少し上向きに。
  ②そのまま骨盤を前後に動かすようなイメージで、背中を反らしたり丸めたりする。往復15秒程の感覚でゆっくり動かすことがポイント。
このストレッチを10回繰り返すことで、腰回りの筋肉の歪みが調整され、腰回りの血流の巡りが良くなります。

腰を屈めて物を拾ったり、重い荷物を持ち上げたりする際は、できるだけ腰に負担をかけないよう常に注意が必要です。
重い荷物を持ち上げる時も前屈して一気に持つのはNG。
しゃがんでから両脚の力で段階的に持ち上げることを意識しながら持ち上げることで腰への負担が軽減されます。

腰痛が軽減しない、慢性化している場合は、腰痛専門の医療機関への診療をお勧めします。たかが腰痛と甘くみて放置していると、とりかえしのつかない事態になる場合もあるので、悪化する前に是非、診療を受けてみてください。