Vol.1 arte HAIR　代表日比野聡｜美容師/美容室の求人・転職専門サイト【ビューティーキャリア】

2015/06/29

Vol.1 arte HAIR　代表日比野聡

挑戦し続け、学び得たもの。トータルビューティーサロンへの軌跡

名古屋の新鋭サロン『arte HAIR／株式会社バトリョ』代表取締役・日比野聡（ひびのあきら）さん。数々のコンテストで受賞する美的センスと高い経営能力を持ち合わせ、トータルビューティーサロンとして成功を収めています。美容室がヘア以外の分野を成長させることは難しいと言われている中、なぜ年々事業規模を拡大することができるのか。そこには、お客様とスタッフのことを徹底的に考え、たどり着いた姿がありました。

『arte HAIR』は2008年、もともと新栄の小さな店舗からスタートしました。美容室が軌道に乗り、オープンから2年後に都心部へ移転。そして、かねてから着手したかったエステ、さらにはアイラッシュの経営も始めました。その後、同ビルの別フロアにヘアサロンを拡張すると同時にアイラッシュサロンとしてオープンさせました。そして昨年、ネイルも立ち上げ成長を重ねて今の業態になりました。

私たちが目指すところはニューヨークの「デイスパ」。日々忙しい女性のために、お客様のキレイに磨きをかけることはもちろん、特別な非日常時間を味わいショートトリップしていただけるような本格派のトータルビューティーを目標にしています。

知識と段階を経て。エステサロン開業までの歩み。

現在の場所に移転する前、じつは男性の美容師しかいなかったんです。偶然なんですけどね、なぜか6人全員が男（笑）それでも、スキンケア商品を月100万～200万ほど売り上げていました。普通は、メイクやスキンケア商品を男性から薦めても説得力に欠けると思いますよね。それをカバーしたのが、知識です。商品のことはもちろん、肌の構造を勉強したり、自分たちでもトライして確かめました。ただしスキンケアをいきなり薦めることはせず、まずはシャンプーから。スキンケアも同じメーカーのものだったので「こんなにいいシャンプーなら、他の商品も使ってみたい」と、シャンプー、メイク、スキンケアと段階を経てファンを獲得していきました。

そこで気付いたことは、スキンケア商品を揃えるお客様は美意識が高くエステにも通っているということ。ただ、自店ではエステの展開がなかったので他の商品を扱っているエステへ・・。そこで、事業展開をおこなうにあたり一番実現したかったことはエステの開業です。すでに当店のスキンケア商品を知っていただいていたので、開業後はたちまち予約が埋まり事業は好調。人材にも恵まれ、2015年には新たにエステの会社をスタートさせました。

お客様の満足と、スタッフの満足。どちらも叶えて成長していきたい。

トータルビューティーを目指す上で、もっとも大切なことは各分野の専門性を高めていくことだと思っています。お客様が求めるところは、片手間の美ではなく本格的な技術。スタッフはそれぞれの分野を兼任させず、自身のクオリティを極めてもらう。それが、お客様の満足になりつつスタッフの満足にも繋がるため、どちらも叶えて成長していきたいと思うんです。

ただ、各分野の専門性を高めていくと問題となり得るのが、スタッフがヘアとその他分野を“別”として捉えてしまうこと。チーム仕事であるヘアと、一人仕事のアイラッシュやネイルでは、どうしても時間の価値観や仕事の作業量に違いが生じてしまい、お互いが無干渉になってしまう。そこを会社のトップが、ともに絶対必要な仲間であることを理解させ、各セクションが協力し合える環境を整えてあげるべきだと考えています。

そうすれば、互いを思いやり自然と仕事のフォローが生まれる。例えば、ヘアに来店されたお客様のアイラッシュがとれかかっていたら、美容師からメンテナンスの案内をするとか。そういうことが、結果的にリピート率にもつながります。

「10年で社員50人規模の会社にしよう」着実に成長を成し遂げてきた理由。

これまで事業を拡大していくにあたり、ほかの地域に出店せずにあえて同じビルに留まりました。それは、トータルビューティーサロンとしてのインパクトと、サービスの質を重視し教育を行き届いたものにするため。安定した土台の発信源を作りたかったんです。ゼネラルマネージャー船橋とは『arte HAIR』オープン当初からの仲間なんですが、彼と約束しているんです。「10年で社員50人規模の会社にしよう」と。彼にはもともと独立志向があったので「その夢を達成したら、つぎは僕が君の夢を支援する」とも。もちろん会社としては社員の独立は売上にも影響します。しかし、例えスタースタイリストが抜けても会社を支えられるだけのしっかりとした土台を、今のうちに築き上げておけば、時代に合わせて組織を変化していける。そのために、エステなどのトータルビューティーへと事業展開して収益性を高め、唯一無二のブランドを船橋と共に確立しているところです。

『arte HAIR』は、まだまだ発展途上です。さらなる展開として、カフェやフォトスペースを設けるなど、また違う角度から会社を成長させようと思っています。お客様と社員の満足のためにこれからも走り続けます。