美容師のための社会保険Q&A｜美容師/美容室の求人・転職専門サイト【ビューティーキャリア】

2015/06/03

美容師のための社会保険Q&A

美容室の就職、転職に重要視される社会保険。そもそも社会保険とは何か？加入しているメリットとは？などなど、いまさら聞けない基礎知識をQ&A方式でご説明します。美容業界全体で社会保険への加入が課題となっている今、その重要性に迫る！

「社会保険」ってなに？

社会保険とは、「①雇用保険、②労災保険、③健康保険、④厚生年金保険」の４つをまとめた総称のこと。「社会保険完備」とは、この全てが備わっているということになります。それぞれの保険には大切な役割があって、病気やケガ、障害、老後、失業など、“もしも”の時に備えて保険料を月々の給与から差し引いて納めているのです。

①雇用保険とは？

失業した際に、再就職先が見つかるまでの一定期間、失業給付金を受け取るための保険。

②労災保険とは？

仕事中、または通勤途中にケガや病気をした時に、治療費や治療中の賃金を保障する保険。
（労災の保険料は、個人ではなく店舗が負担してくれます）

③健康保険とは？

保険証が交付され、仕事以外でケガや病気をした時に治療費の補填をしてくれる保険。さらには出産手当金が受け取れます。

④厚生年金保険とは？

老後の生活保障や、もしもあなたが死亡した場合に遺族の生活を守るための保険。

※上記以外の保障もありますが、ここでは一部をご紹介しています。

【Q】社会保険に加入している店舗で働くメリットとは？【A】
社会保険に入ると次のようなメリットがあります。（※2015年6月状況）
【1】一般的に国民健康保険よりも健康保険料の方が安い場合が多い。
　　　（算出方法が異なるため、前年度の収入によっては国民健康保険が安くなることもあります）
【2】大けがや病気で働けない場合も、医療費や休業補償を受けられる。
【3】年金の受給額が国民年金よりも多い。
【4】出産手当金が受け取れるなど、出産・育児の場合も手厚い公的保障がある。

【Q】社会保険に加入していない美容室は違法なの？【A】
①雇用保険と②労災保険は個人事業主であっても法人（有限会社・株式会社など）であっても、加入することが義務になります。しかし、③健康保険、④厚生年金保険は法人であれば必ず加入しなければなりませんが、個人事業主の場合は義務ではなく任意となるので、加入していない＝違法ではありません。

【Q】社会保険完備の店舗でも、社会保険料（③健康保険、④厚生年金保険）を支払わないことはできる？【A】
社会保険に加入している会社で務める場合は正社員・パートともに強制加入となりますので、必ず保険料を支払ってください。ただし、働き方によっては支払わなくても良い場合があります。
＜保険料を支払わなくても良い場合＞
【1】1日または1週間の労働時間が正社員の概ね3/4未満であること。
【2】1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4未満であること。
【3】2か月以内の雇用期間を定めて雇用される者
⇒【1】と【2】の条件を両方超えている場合は保険料を支払う義務があります。

【Q】社会保険に加入していない店舗で働いた方が、手取りが高いのでは？【A】
保険料が天引きされないため給与額が高く感じますが、社会保険に加入していない場合は「国民健康保険」と「国民年金」を支払う義務があります。「国民健康保険」を支払わなければ、保険証が交付されないので医療費を全額支払わなければなりませんし、「国民年金」を支払わなければ老後など必要時に受け取れる金額はゼロです。将来の自分を助ける備えとして、必ず支払いましょう。

【Q】老後に年金がいらない人は払わなくていい？【A】
老後にもらえる「老齢年金」は“20歳から60歳までの40年間払うと、65歳からもらえる”というのが基本の仕組み。保険料を払っていない月が多くなると、その分の年金の受給金額は少なくなります。そして、支払った月数が300ヶ月(25年)よりも1ヶ月でも少なくなってしまうと、なんと年金が1円ももらえなくなってしまうのです。しかしそれ以前に国民年金であっても厚生年金であっても、年金を支払うのは“国民の義務”です。必ず支払いましょう！

アシスタントや売上げが確保できない時期は、基本給も少なく保険料を支払うメリットが感じられないかもしれませんが、いざという時にあなたを守ってくれるのが各種保険です。さらに社会保険が完備されていれば、その公的保障も手厚くなります。就職先を選ぶ際にはぜひ参考にしてみてください。

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